HORIZM35は当研究会の会誌HORIZMの第35号です。
本誌には部員による創作短編のほか、3つの特集を載せています。創作短編は、中国古典風ユーモアSF、猟奇的ハードSF、ストレンジ・フィクション、戦争SF、耽美SF、宇宙アクションSFと様々な作風の六篇を掲載。以下に、特集の説明を紹介していきます。
2009年製作の「カミキリ」、2010年製作の「メタ人間オーヴァーダビング」、2011年製作の「クリュシッポスの沸点」の紹介・製作メモ・監督インタビュウを掲載。制作秘話がたくさん載っています!
TOKON10のゲストやスタッフからのご寄稿やインタビュウを掲載。TOKON10がどのような大会だったのかを内外から言葉で確認してゆく、読み応えのあるアフターレポートです。見本として、「はじめに」を本サイトに載せました。
慶応SF研で独自に選んだベストSF映画50本のレビュウを掲載。
見本として、50本に惜しくも選ばれなかった、51位の映画「妖星ゴラス」のレビュウ(本誌には掲載されていません!)を本サイトに掲載しました。
また、今回選ばれた映画はこの50本です。
以上の内容でお送りする今回のHORIZM35、買って損はないと思いますので、ぜひお買い上げよろしくお願いします!
第49回日本SF大会TOKONは二〇一〇年八月七日から八日にかけて、東京都江戸川区タワーホール船堀にて開催されたSF大会である。
一般参加者数1149名、ゲスト270名のほか、一般開放エリアにも入場者を多数迎え、168件のさまざまな企画が行われた。
本特集はそのアフターレポートであり、TOKONのゲストおよびスタッフの寄稿・インタビュウを編纂したものである。
アフターレポートの構成について詳しく書いておくと、まず、第一部には序文として、慶應義塾大学SF研究会会長であり、TOKON大会顧問をされた巽孝之先生に、総括を書いて頂いた。そしてその次に、慶応SF研OBであるぐち技師長による文章を掲載した。これはぐち技師長の所有するVAIOがTOKONで暗黒星雲賞を受賞したことを受け、「受賞のことば」を書いて頂いたものである。そしてその後に息抜きとして、大会イメージイラスト担当の三五千波さんに描いて頂いた、江戸川金魚ちゃんの出張版を掲載した。
第二部はゲストの章である。まず、メインゲスト・スペシャルゲストの特集として、夢枕獏先生からのご寄稿、萩尾望都先生へのインタビュウを載せ、佐藤嗣麻子先生、岡野栄之先生、宝野アリカ先生の企画についてのレポートを載せた。
次にゲスト特集として、難波弘之先生、森下一仁先生、円城塔先生からのご寄稿、そして沢山のゲストの方へのインタビュウを載せた。
第三部はスタッフによるアフターレポートである。まずTOKON発起人の方々の原稿を載せ、次にスタッフによるレポート、スタッフへのインタビュウを続け、その後に慶應義塾大学SF研究会のOB、現役メンバーによるレポートを載せた。最後にはTOKONのスタッフリストも掲載した。
ところで読者の中には、なぜ我々慶應SF研がTOKONのアフターレポートを作るのかを疑問に思われている方もいるかもしれないが、その理由は、我々SF研がOB・現役部員ともにTOKONのスタッフを務めることになり、TOKONの成功を支えたという縁があったからである(詳しくは、次に掲載した巽孝之先生による序文を参照されたい)。
また、TOKON実行委員会の方から、自分たちは公式にアフターレポートを作る予定はないが、一スタッフであった我々がアフターレポートを作るのであれば協力は辞さないとのお言葉を頂いたこともあり、かくして我々SF研は、あくまでもサークル活動の一環としてアフターレポートの編集をおこなうことになった。
故に本特集は、「半公式」アフターレポートではあるものの、「公式」アフターレポートではないのである。
さて、最後にTOKONがどのような大会であったかについて実行委員会の見解を記して、本稿を終えることとする。
本実行委員会は主メンバーが女性であり、「産み、育てる性」として、本大会のみならず今後のSF大会のためにも
の二つを目標とした。
スタッフについては、今大会が初めてのスタッフ経験という方に多数参加していただいた。非常に優秀な方ばかりであり、それぞれ重要な役割を担当していただいた。彼らは「立花チルドレン」と呼ばれるであろう(笑)。今後の大会でもぜひ活躍していただきたい。
参加者層については、広報活動や企画により今までとは違う方面の方々への訴求を行うよう努力した。確実には参加に結びつかなかったまでも、今後に期待することとする。
参加者のデータは、次ページに示した通りである。
参加者の皆様、ありがとうございました。
ある日パロマー天文台が地球の約六千倍もの質量を持つ黒色矮星「ゴラス」を発見する。土星調査の任務中だった日本の宇宙船・隼号は計画を変更してゴラスの探査に向かったが、ゴラスの強力な引力に捕まり、地球に観測データを送り届けながら吸い込まれてしまう。そのデータを解析したところ、「このままの進路だとゴラスと地球は衝突する」という事実が判明する。そして地球ではこの未曾有の危機を回避するための計画が動き出す……とあらすじだけ見るとさして珍しくもないが、この映画のすごいところは「地球そのものを動かす」という荒唐無稽なアイディアを打ち出し、それに真正面から取り組んだところにある。南極に巨大ジェットを建設しその推力で地球を動かすのだが、この「大胆なウソ」に本多猪四郎のシリアスかつ丁寧な演出と円谷英二の職人芸とも言える特撮で見事にリアリティを持たせて描ききっている。これぞまさに東宝の実力である。余談だが、唐突に出てきて大した見せ場もなく退場する巨大怪獣(セイウチにしか見えないが設定上は爬虫類らしい)マグマ。明らかに蛇足だろうと思っていたら、海外版には奴は出てこないことを知った。そりゃ当然の判断ではあるが、言いようのない寂しさを覚えたのは何故だろうか。