グレッグ・イーガン「ぼくになることを」(2007/10/04,中村)

著者紹介

1961年、オーストラリア西海岸のパース生まれ。大学卒業後、病院付属の研究所にプログラマーとして勤務するかたわら執筆をはじめ、1992年、最初の長編SF『宇宙消失』を発表し、デビュー。以降、ナノテクや量子論などを駆使したハードSFで人気を博す。星雲賞、ヒューゴー賞、ローカス賞など受賞多数。いま最も注目されているSF作家のひとり。

あらすじ

近未来の世界、人々はバック・アップ用の〈宝石〉を頭の中に持っていた。〈宝石〉には〈教師〉がついていて、宝石と脳が同期するようにモニターしている。幼少期からの訓練によって、宝石は脳の完全なコピーになる。そして人々は、脳と宝石をスイッチし、神経系統を配線し直し、永遠の命を得ることができる。しかし主人公の“ぼく”は、そのことに疑問を持つ。宝石はただの機械であり、脳の代替物にならないのではないかと。その結果“ぼく”は妻のダフネから逃げ出し、社会からも疎遠になっていく。“ぼく“はとうとうスイッチする決心をしたが、そこで教師が故障し、同期が乱れ、“ぼく”は自分が宝石であったことを知る。体が思い通りに動かないことにパニックを起こし、さらに医者たちに抹殺される恐怖に怯える。しかし、実際には問題なく“ぼく”は体と永遠の命を手に入れた。脳と宝石には実は食い違いがあり、その食い違いの証拠を抹消するほうを医者たちは選んだのだった。

論点

など


Topへ