開催日:2005/4/28
レポーター:高橋
課題:桜庭一樹『推定少女』
RESUME
桜庭一樹『推定少女』
作者紹介
えんため大賞出身の、美(少)女作家。近著に『赤×ピンク』(ファミ通文庫)、『GOSICK』シリーズ(富士見ミステリー文庫)などがあるほか、山田桜丸名義でゲームシナリオも手がけている。作品に、『EVE
The Lost One』(SS版)、『ときめきメモリアル〜Girl’s Side』(サブライター)。以上、コピペ。さらにSFセミナーの講演者で極真空手初段らしい。他にも代表作として、女の子同士の友情(?)を書いた『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』があり、こちらは「裏推定少女」とも呼ばれている。
あらすじ
ぼく、巣篭カナ、中学3年生。思春期の悩みとか受験やらでテンヤワンヤな日々を送っている。そんなある日、窓から侵入してこようとした義父を矢義父にしちゃったことから、ぼくの逃亡劇は始まる。
逃走中、謎の美少女「白雪」に出会い、共に逃げ続け、他にも色んな人と出会ったけど、とうとう、ぼくと彼女は捕まってしまう。白雪との別れ。結局、彼女は何者だったんだろう。ぼくは大人の世界に戻ったけど、彼女のこと、15歳のときのぼく、彼女と一緒に逃げ続けたことは絶対に忘れない。
登場人物
巣篭カナ 主人公。ボクッ娘。ゲーマー。生きる気力なし。
義父 カナの義父。柿の匂いがする。
母 カナの母。
白雪 謎の美少女。カナと行動を共にする。果たしてその正体は?
千春 火器戦士。ガンオタ。中性的美少年。
電脳戦士 オタク。二十歳は超えていると思われる。ナイスガイ。
評論家 宮台?
1、白雪の正体
@白雪=カナの妄想説
・ゲームソフトと白雪の設定が同じ(カナはゲーマー)。(p.257)
・しかし、千春も白雪のことを覚えている。
・白雪との別れのシーンでの心情吐露、あるいは信仰の告白(by Fitzgerald)(p.268-269)
A白雪=宇宙人説
B白雪=宇宙人かつカナの妄想に触れ、白雪の形をとった説。
C作者がわざとはっきりさせてない説
・@〜Bのどれとも取れる各自矛盾した判断材料を配置。
2、物語の解釈
@大人と子供の二項対立?
・「大人になっても子供のころの自分のことは忘れない」→Aufhebenな話?
A大人‐主人公(カナ)‐子供(白雪)?
・色んな大人との対決(義父、母、喫茶店にいたお姉さん、男警官、女警官、評論家)。
・白雪との逃亡。共に逃げてくれる人としての白雪。
逃げる場所、逃げる方向、逃げる目的地としての白雪。
白雪と「どこかに」逃げるのでなく、白雪と逃げること自体が目的。
→白雪=子供の象徴?
・カナはマージナルな存在。大人と子供の間で揺れている。
・現実でのパートナーとしての千春。千春もまたマージナルな地点にいる。
3、特徴、もしくは今日性
物語の機能
・現実に立ち返らせる?
現実はいや、だけど幻想のままでもいられない→中間点。浅い幻想。
大人になりたくない、子供のままでもいられない→子供の心を忘れない大人になる。
例)大島弓子『F式蘭丸』
幻想の男の子(王子様)からクラスの「かっこいい」男の子へ。
→カナの場合は白雪から千春。
幻想の対象が理想の異性像ではなく同性かつ自分の分身ともいえる存在。
→これってどういうこと?
・どこまでも逃げ続ける話
2次元に消える電脳戦士。しかし、好意的に書かれている(カナは現実に戻った)。
4、まとめ
@思春期の心理
色々書きましたけど、結局この小説を面白いと思えるかどうかは、こういった心理に共感できるかどうかだと思います。
p.60「甘かった。ベタ甘だった。そしてそういう意味で、ぼくはまごうことなく、十五歳(甘い)なのだった」
p.62「毎日どこかで、ぼくたちは大人にころされてる。心とか。可能性とか。夢見る未来とかを。(中略)そういった殺戮は、日本中いたるところで毎晩のように起こっているんだ」
A論点
・1~3辺りで適当に。
・何もない人は自分の中学生時代の痛いエピソードを披露してください。
B個人的に好きなシーン
・アキバで幻覚見ながら白雪と銃乱射。
・白雪との別れ。
COMMENT
5、読書会後の感想
・レジュメをまとめきれず、準備不足(このレジュメは改訂版)。
・中2病という議題は間違っていたもよう。
・それなりに痛いエピソードが聞けた。本格的にダメな人もいた。
6、SFセミナーの感想
・『GOSICK』の話が中心でやや不満。
・『砂糖菓子〜』、『推定少女』を書いてるときは担当が女性だったらしい。そのことの影響が強いかも、とか。
・桜庭さんは噂に違わぬ美少女だった。見た目もしぐさも可愛かった。
・サインは貰えず。山田正紀のサイン会なんてやってる場合か。