開催日:2004/6/12
レポーター:浜岡
課題:トム・ゴドウィン「冷たい方程式」
RESUME
〈書誌〉
(原作)Tom Godwin, “The Cold Equations” , Astounding 1954,April
(邦訳)伊藤典夫訳 「SFマガジン」1966年11月号
〈著者略歴〉
1915年アメリカ生。「アスタウンディング」誌を中心に活動。1954年発表の本作は当時から大きな反響を呼ぶ。50年代以降も執筆活動は続け、発表作品は長編3作、短編23作ほど。短編「柳が歩き出す前に
Before Willows Ever Walked」(1980年)を最後の作品として1980年歿。
邦訳作品は少なく短編は本作を含め5本、長編は『宇宙の漂流者 The Survivors』(1958年、邦訳1973年)程度である。
〈概要〉
「EDS(緊急発進艇)内で発見された密航者は、発見と同時に直ちに艇外に遺棄すること」惑星ウォードンの探検隊へ血清を運ぶEDSパイロットは一人の密航者を発見する。それは長らく会っていない探検隊員の兄を持つ妹だった。燃料はパイロット一人分、他からの支援は望めない。彼女は「冷たい方程式」の中の余分な因数に過ぎなかった・・・
〈論点〉
New York review of science fiction誌の「恐竜たちの方程式」解題より
1.「冷たい方程式」という虚妄?
ヒューマニズムに反する自然法則「冷たい方程式」は存在したのか?
2.性差別的ファクターを伴う政治的寓話だったのか?
「もしこれが、低い反抗的な男の声だったら…」(P235)
3.SFにおける「おやくそく」として
資料・方程式物一覧(抜粋)|
タイトル |
著者 |
属性 |
オチなど |
収録 |
|---|---|---|---|---|
|
破断の限界(1949年) |
A・C・クラーク |
船員 |
毒殺 |
『前哨』(ハヤカワ文庫SF)ほか |
|
解けない方程式(1968年) |
石原藤夫 |
― |
― |
『画像文明』(ハヤカワ文庫JA) |
|
たぬきの方程式(1970年) |
筒井康隆 |
たぬき、ギャグ |
食った |
『国境線は遠かった』(ハヤカワ文庫JA) |
|
つかれる方程式 |
吾妻ひでお |
― |
― |
『パラレル教室』(奇想天外コミックス) |
|
フランケンシュタインの方程式(1978年) |
梶尾真治 |
クローン、味噌樽、ギャグ |
くっついた |
『フランケンシュタインの方程式』(ハヤカワ文庫JA) |
|
連立方程式(1979年) |
堀晃 |
冷凍睡眠、恋人は密航者 |
つくった |
『梅田地下オデッセイ』(ハヤカワ文庫JA) |
|
なまこの方程式(1980年) |
栗本薫 |
なまこ、国際問題、ギャグ |
食った |
『火星の大統領カーター』(ハヤカワ文庫JA) |
|
究極の方程式(1980年) |
横田順彌 |
雪之丞シリーズ、ギャグ |
― |
『謎の宇宙人UFO』(角川文庫) |
|
減量方程式(1980年) |
川又千秋 |
― |
― |
『一発!』(角川文庫) |
|
予期せぬ方程式(1980年) |
横田順彌 |
― |
― |
『予期せぬ方程式』(双葉文庫) |
|
黄金の方程式(1980年) |
豊田有恒 |
― |
― |
『ライダーの挽歌』(集英社文庫) |
|
変態の方程式(1981年) |
高千穂遥 |
― |
― |
『てめえらそこをどきやがれ!』(大陸ノベルズ) |
|
お茶の間方程式劇場(1983年) |
火浦功 |
時空の歪み |
俺があいつであいつが俺で |
『たたかう天気予報』(角川文庫) |
|
最後の方程式(1983年) |
栗本薫 |
― |
― |
『火星の大統領カーター』(ハヤカワ文庫JA) |
|
恐竜たちの方程式(1995年) |
ジェイムス・パトリック・ケリー |
超高速転移技術、恐竜 |
多分私は○人目だから |
『SFマガジン』1997年1月号 |
|
温めの「冷たい方程式」(1996年) |
會川昇(脚本) |
― |
― |
アニメ『機動戦艦ナデシコ』第8話 |
〈コメント〉
今読んでも泣けるかしら?ということを聞いてみたかったりします。ティプトリーの「たった一つのさえたやり方」にも通じる自己犠牲の「萌え」なのかとか。
妹萌えとかはそんなに特にスキでわないんで別にいいでやんす
〈参考〉
方程式物一覧
http://www.lares.dti.ne.jp/~hisadome/equations.html
堀晃『梅田地下オデッセイ』ハヤカワ文庫JA126、1981年
ほか