開催日:2004/4/24
レポーター:大内
課題:フィリップ・K・ディック「まだ人間じゃない」
RESUME
フィリップ・K・ディック「まだ人間じゃない」The Pre-Persons
「堕胎しましょうよ!」(P547L8)
あらすじ
12歳までの子供には魂がないと考えられ、親の意思によって生後堕胎が法で認められ
ているごく近い未来。物語は魂が宿る年齢の不確さに漠然とした不安と恐怖を感じる少年
と、生後堕胎という名の虐殺に反対する成入男性による堕胎への疑問と反旗を翻す姿を主
軸に捕らえている。
予備知識
日本では妊娠22週以降の中絶は「胎児は母体外で生命を保持することができる」とみ
なされ法で禁止されている。母体なしで生きていける存在を殺すのは犯罪としている。つ
まり論点は魂の有無ではなく肉体が生物として存在できるか、という実証主義的観点に立
ってのみ絞られている。
中絶が許可されるケースは2つ、経済的あるいは母体の身体的な問題で出産が困難だと
される場合と性犯罪に関する場合のみ。ちなみに日本では01年の中絶総数は34万1588
件で、20歳未満の中絶が13.6%。
ディックの描くこの世界では女性の母性・ジェンダーが極端に失われている状態である、
と認識させるような世界である。つまりP547P551の「飯を作らない」「ボインはいらない」
など。過剰に歪曲されたイメージとして語られているが、一番のゆがみは自分が生んだ子
供(ウォルター)よりも堕胎してホルマリン漬けにした胎児のほうを自慢に思うこの母親
だと思う。創造の象徴よりも破壊の象徴を礼賛する背徳者の目を作中ウォルターも感じて
いる描写がある。
そして人類の存続の答えは出生率0%しかない、つまり出産は間接的な社会悪であり子供
のいる家庭は「しくじった」とみなされる。生後堕胎の建前としては人類の永続的な発展
のためであり、その裏には男性への去勢、老人による若者への抑制、強者の支配がある。
12歳以下の子供の虐殺を名目上は「生後堕胎」としているために、本質的なリセット願
望の意味合いが含まれているのではないだろうか?母親が子供を生んでみたは良いが子供
が自分の思い通りにならなくて殺害してしまう事件は近年増加傾向にあり平成15年度の虐
待による児童殺害の件数は41件・42人にのぼっている。
問いかけ
大きな檻とは?
イアンとガントロの一二人の大人の男はなぜバンクーバーへと行けないと観念しているの
か?
COMMENT
高等数学ができないやつは全.員死ねよ、怖いですね一。怠惰な文系の学生なんて皆殺し
じゃないっスか。マイノリティー=おたくに変換するいつものやり方で読み解くとオタは
人間として未熟であり、人類のためにならないから生後堕胎してもいいっていう…
((((;゜Д゜)))はうわ一
俺もこれでようやく、「ディック的」ってのを理解できたかも。