DATA

開催日:2003/11/22
レポーター:関根
課題:堀骨砕三『閉暗所愛好会』

RESUME

あらすじ
主人公黒川準ちゃんは閉暗所愛好会の職員。閉暗所愛好会とは顧客にくつろげる部屋を提供するところで、準ちゃんはある日7人の特別会員のお世話係りに配置される。この特別会員が変わった嗜好の人物達であり、閉暗所愛好会という組織も怪しげである。準ちゃんは次々と異常な状況に接し、巻き込まれ、受け入れていく。そして準ちゃんもまた閉暗所愛好会の会員となるのである。

話題
○会員は人生のどこかでもと来た道を引き返すように若返っていき、最後には性交により人が生まれ来る女の胎へと帰っていく。人が誕生まで一時を過ごすそここそがおそらく人が最もくつろぐ事のできる本当の、かつ究極の閉暗所であろう。
っていう解釈で、見事にSFになっていると思うんですけどね。どうですか?

○絵について、マンガの絵がうまいとはどういうことか?
この作品において重要なのは背景と人物との統一感である。これが無くては設定が十分にはいかされない。作品の隠れた主役は異常な行為をさらにオーヴァードライヴさせる背景描写であろう。この作品におけるある種の暗さはこの背景と人物の統一感の中に溶け合い読者の幻惑をさらに強めており、性の描写の合間で濃厚に感じ取られる死のそれである。
というわけでこの作者は絵がうまいというか描写や構成が上手だと思うんですが、どうでしょう。

○参考までに
某巨大掲示板における当該作品の作者についてのBBSを見たところ、ほとんどの人はそのままその人の嗜好にあてなまるがゆえに読んでいるようだった。残りはある種完成度の高い妄想の流出世界にあてられて何だかわからないけど読んでいる人と、サブカルな読みをすることで快感を享受している人のようだった。このサブカル読みは前述の嗜好ど真ん中の人達からは嫌われるようであった。
私達はどれに分類されるでしょう。

昨年同じ作者(ただしペンネームは"ほりほねさいぞう")の作品をやりました。身体的性差を適当な感じで乗り越え、混乱した光景を紡ぎ出す手並みは不愉快なほどに鮮やかで、他の類似品に比べ不快感がかなり抑えられていると思います。この辺がサブカル野郎に好まれる理由ではないでしょうか。エロでありながらその見せ方や設定が奇抜なためにその方向に目が向くのでしょう。それは独特の雰囲気に現れているのが感じ取られるのではないでしょうか。

私は、掘骨は吾妻ひでおの後継者だと思うんですが、どうでしょう。どうでもいいですけど。

掘骨砕三『閉暗所愛好会』三和出版2003年4月(連載は2001年9月〜2003年2月にアイラ、及びアイラデラックスにて)

COMMENTS

微妙な雰囲気の微妙な読書会になりました。読むのが辛い、気持ち悪いと言っていた方々には謝罪と感謝をいたします。すいませんでした。議論はさほど内容に突っ込んだものにならず、微妙な言い回しの微妙な周辺をつつくような感じになったような気がしないでもないです。で、なんかその後個々の性的嗜好を述べ合ったりして何がなんだかよくわかりませんでした。実は若干建設的議論もされたのですが、秘密にしておきます。ま、この作品がSFであるというところでは意見の一致を見ました。

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