開催日:2003/6/26
レポーター:齋藤
課題:クリス・マイケル『ラ・ジュテ』(映像作品)
RESUME
1962年、仏
監督、脚本:クリス・マルケル
美術:ジャン・ピエール・シュドル
音楽:トレジャー・ダンカン
朗読:ジャン・ネグロニ
あらすじ
第3次世界大戦後、人類は地下で滅びの時を待っていた。人類を救うためには時間旅行を成功させるしかない。そのために一人の男が実験台に選ばれる。彼はかつての空港とそこにいた一人の女の映像が忘れられないでいた。彼は時間を越えて女と出会うが・・・。
SF映画である。しかしSF映画はあくまで映画であるのであって、サイエンスであることは2次的なことである。この映画もあくまで映画であることにこだわった作品である。
馬鹿でもわかることだが、この映画はほとんど全てが写真のような固定画で、台詞はなく朗読が淡々と流れる。絵物語ではないかと言う人もいるかもしれない。しかしやはりこれは映画、実に純粋な映画なのだ。何故って? 俺にもよくわからん。蓮実重彦ならきっとわかる。
この映画で唯一動きがあるシーン、女のまばたきの動き、これほど我々に「動き」というもの自体を教えてくれるものもない。とにかくこのシーンははっとさせる。なんなのだろうか? この瞬きを見る瞬間、我々は観客という席から離れ、彼女を見る男と化す。
映画で使われる様々な技法、モンタージュ、カットバック、スローモーション等の技法がこの映画では全て固定画像で表される。ラストのシーン、これほど緊迫したシーンはなかなか無い。
しかしこの固定画の美しさはなんなのであろうか?
SF映画で私が見たもので推薦するもののリストを挙げておこう。あくまで私が見たことのあるものだけなので、各自自分で他にも探すこと。エイリアンとか、気持ち悪いのは私は見られないのであしからず。ああ、12モンキーズ見る暇がない・・・。
『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック)
『惑星ソラリス』(アンドレイ・タルコフスキー)
『ブレードランナー』(リドリー・スコット)
『未来世紀ブラジル』(テリー・ギリアム)
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(押井守)
『パトレイバー2 The Movie』(押井守)
『MEMORIES』(大友克洋他)
『老人Z』(北久保弘之)
『攻殻機動隊 Ghost in the Shell』(押井守)
『ティコ・ムーン』(エンキ・ビラル)
『デリカテッセン』(ジャン・ピエール・ジュネ)
『ロスト・チルドレン』(ジャン・ピエール・ジュネ)
COMMENTS
評判がよかったんで二回も見てしまった。実に濃密な映画。女のまばたきのシーンでは、映画をみているのではなく、画面のむこうから現実の女に見つめられているような気になる。映画というものは昔に作られたものを見ているはずなのだが、このシーンでは女と同じ時間に生きているような気になってしまうのだ。
あと未来の世界の暗い絵と、過去の世界の博物館のシーンなんかの画面の美しさ、緊張感も素晴らしい。
来年こんな映画撮らんか?