DATA

開催日:2003/6/19
レポーター:出口
課題:H・G・ウェルズ「塀についた扉」

RESUME

あらすじ
エリートである友人ウォレスから主人公が聞いた話。ウォレスは幼少時代早熟な子供で、日常の退屈さから街へと出てみた。街を歩いていると塀についた緑色の扉にひどく心を奪われる。衝動を抑えきれずに扉をくぐるとそこには夢のような魔法の園が!しかし、遊んでいた途中で見知らぬ婦人にウォレス少年は現実へと送り返されてしまう。それからというもの塀についた扉がいつも心に残りながら、ひたすらエリート街道を驀進する。そうして社会に出てみると、それからその「塀についた扉」を三度も見たのに現実世界の地位や立場を意識して扉をくぐることはできなかった、ということを主人公に打ち明ける。それから三ヶ月してウォレスは、通りから見て塀の向こう側にある工事の掘り穴に落ちて死んでしまった。果たしてそのときウォレスの見たものは・・・。

作者について
ハーバード・ジョージ・ウェルス(1866〜1946)
いわずと知れたSF作家の大御所。しかし、彼はかなり多才な人で風俗小説作家やジャーナリスト、歴史家、科学者、フェミニストといった面もあったらしい。「タイムマシン」「透明人間」「モロー博士の島」などはあまりに有名。

その他
私は旺文社の『改造人間の島』でもってウェルスとの初体験をすませました(笑)。モロー博士の島を読んでみて「中学から高校にあがる頃ならはまったかな?」などと恐れ多くも感じていたのですが、直後の収録されているこの作品を読んでそんな気持ちが吹き飛びました。ありそうな話ですが、何故か私はこの作品に心を奪われました。どこか村上春樹の作品に通ずる感覚だったのですが、それは日常に潜む非現実感とでも言うような雰囲気を読み取ったからではと思います。願わくばこの読書会が盛り上がらんことを(笑)。
ちなみに私はこの作品を旺文社の「改造人間の島」で読みましたが、その本では表題を「魔法の園」という意訳で掲載されています。が、岩波の「塀についた扉」は旺文社の「魔法の園」の再録であるため、一応問題はないものと思います。訳文の差によってかなり物語の雰囲気が変わってしまうのでそのことをここで注意しておきたいと思います。

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