開催日:2002/11/22
レポーター:関根
課題:高野文子「奥村さんのおナス」
RESUME
○あいさつ
高野文子の作品集「棒が一本」より、現在ある意味で最も先鋭的なマンガであろう奥村さんのお茄子を取り上げる。この作品に感じられることを一言で述べれば、束縛の無さである。それがどのようなものかはおいおい話し合いたい。
○あらすじ
ある日電気店を営む奥村が昼食をとっていると、見知らぬ女からこう話しかけられる。「一九六九年六月六日木曜日お昼何めしあがりました?」その女ははるか彼方からやって来た何かで、先に潜入していた先輩のアリバイ証明のために奥村に近づいたのだった。女と奥村は二十数年前の六月六日の記憶を手繰っていき、そして甦っていく奥村の記憶と明らかになる何かの真の目的。事態は風雲急を告げ、周囲の人間をも時空を越えて巻き込んでいく!
奥へ奥へと伸びていく視点の移動、時折別のアングルが入り、重層さが増していく。すっと広がってゆく世界が、実は他の多くの人を巻き込み成立していることを動的で視覚的な手法で見せる時、そこにある束縛は必要最小限のものに押さえられている。お話も何気なさそうでいて何気がある。過去からずっと続いている自分の生活、気が付かないけれどもずっと一緒の時間を生きてきた人々の存在。実は今の自分がここでこうしていることが非常に稀有なことなんじゃないか、そう主張してもいるよう・・・じゃないですか。
高野文子(1957〜)
73年楽書館に参加、単行本収録作の最古のものは77年。
「奥村さんのお茄子」初出『COMICアレ!』'94年五月号(マガジンハウス)
単行本『棒がいっぽん』'95年(マガジンハウス)[大幅な加筆修正あり]
COMMENTS
今回の読書会は11月22日、三田祭期間中に行いました。SF研のブースで公開読書会をやるとか言い出す人が居ましたが、一身上の都合(恥ずかしいし)で部室にしてもらいました。
何時になってもこの手のレポートが巧くならない為か、ネタがアレだったためか、暇そうにしてたり関係無い本を読んだりしていた人がいました。まことにたまりません。好みの問題だとか、んなもんより売れてるマンガがスタンダードだとか言わずもながって感じのナニな意見が出てしまいました。全て私の不徳の致す所とかなんとかであって、本当にすいません。
まあ、すごいとか面白れえとか言う人もおりました。しかし、わかんない、いう一言で終わる奴は一体何で出てきたのかといぶかしまずにはいられません。
総括すると、なんといいますか、燃え尽きた感じでした。とはいえ、この作品に新鮮味を感じてくれた人もいましたし、それは良かったかも知れません。以上読書会のレポートです。