DATA

開催日:2002/6/21
レポーター:大澤
課題:フレドリック・ブラウン「おしまい」(東京創元社『未来世界から来た男』)

RESUME

フレドリック・ブラウン(1906-1972)は、オハイオで生まれ育ったアメリカ人作家で、1930年代から40年代にかけて、パルプ雑誌と呼ばれる雑誌に、短篇SFや短篇ミステリを書き続けた作家である。彼はまた、ヒッチコックシリーズなどのTV番組のシナリオ作りにも係わっている。彼の短篇作品や長編作品は1940年代後半から、文庫という形で出版された。戦後の日本SFに多大な影響を与えた作家の一人である。
彼は長編作品もいくつか書いており、1947年に出された"THE FABULOUS CLIPJOINT"という小説で彼は、アメリカ推理作家賞であるエドガー賞をもらっている。
彼の作品は、いわゆるショートショートであり、ユーモアと意外なオチが必ず付いている。ショートショートと聞けば、日本では星新一を思い出す人が多いと思うが、彼がもっとも影響を受けた作家として、この人の名前があげられている(他は、太宰治とレイ・ブラッドベリである)。また、星新一だけでなく、小松左京、筒井康隆など、ショートショートを書いた事のある作家は皆、この人の影響(あとはヘンリー・スレッサーとか)を受けたのは間違いない。ちなみに、星新一はブラウン長編作品のベストとし て「火星人ゴーホーム」をあげており、筒井康隆は「発狂した宇宙」をあげているらしい。

彼の、最も短くて有名なショートショートを載せて、ここでの締めとする。
"The last man on earth sat alone in a room. There was a knock on the door ..."
「地球最後の男が部屋に一人で座っていた。そこにノックの音が…」

COMMENTS

1ページに満たない短篇であり、読書会は30分程度で終了。最短記録を作ったという意味では成功だといえよう。
しかしフレドリック・ブラウンの魅力を伝える、という意味では完全に失敗。
そもそも何でこの短篇を選んだかと言えば、この短篇集で一番短かったというのともう一つ、私が深く影響を受けた「年間SF傑作選」にこの短篇が入っていたからである。
しかし今思えばなぜ編者のジュディス・メリルがこの短篇を選んだか疑問。ページ数が微妙だからとりあえずこの短篇入れとくか、とかだったらやだなぁ。悪い短篇ではないのだがこれがフレドリック・ブラウンの短篇のベストかっていうと疑問がある(なら選ぶな)。
レジュメにも書いたが、フレドリック・ブラウンと言えば長編でも有名であり、「73光年の妖怪」、「火星人ゴーホーム」、「発狂した宇宙」という作品は数々の読者や作家を虜にしているらしいので、きっと傑作に違いないと思うのだが(読めよ…)、もしこの短篇を読んで、フレドリック・ブラウンに興味を持った人が万が一いれば、是非彼の他の作品も読むことをお勧めします。そこにはきっとなにかあると思うので(まず自分が読まないとな…)。

ちなみに、読書会中に、レジュメ最後のショートショートが星新一氏の「ノックの音が」の解説にそのまま載せられていることがわかりました。やっぱり影響あるんですな。

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