DATA

開催日:2002/6/14
レポーター:齋藤
課題:りんたろう「迷宮物語」(『ラビリンス・ラビリンス』映像作品)

RESUME

あらすじ
ブカブカのズボンをはいた女の子・サチは猫のチチェローネとかくれんぼをしている最中、鏡の向こうの世界に行ってしまう。そこで謎のピエロに導かれ、不思議な路地裏を通り抜けていくとやがてサーカス小屋にたどり着く…。

花吹雪、浮世絵、紙風船、口紅、振り子時計、猫、かくれんぼ、赤い空と白い花、扇風機、蓄音機、ビー玉、ブリキのおもちゃ、鏡台、白いピエロ、路地裏、子供の声、空き缶、首輪、鎖、モノクロの人、広がる闇、路面電車、時計人間、巨人の行列、猫町横丁、だれもいないサーカス、スポットライト…と書くとなにやら前衛詩めいていますが、これはそんな映画です。物語をつくるのではなく、印象に残る情景をつなげてそこから生まれてくる不思議さを味わわせようとしたのでしょう。アニメならではの表現があふれていて相当楽しめますが、ただの印象だけで象徴的意味が込められていないと不満な人もいるでしょう。しかし、意味があまり限定されていないから、この独特の夢幻のような感覚が表現できているのだと思います。表現というものは色んなものを詰め込むという方向だけではなく、あえて隙間をつくるという方向もあるのです。

この映画の製作年である87年辺りのアニメ映画をざっと挙げていきますと、
84年 「風の谷のナウシカ」(宮崎駿)「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーズ」(押井守)
86年 「天空の城のラピュタ」(宮崎駿)
87年 「王立宇宙軍 オネアミスの翼」(山賀博之)
88年 「AKIRA」(大友克洋)「となりのトトロ」(宮崎駿)
89年 「機動警察パトレイバー The Movie」(押井守)
テレビアニメの延長ではないアニメ映画というものが定着した時期と言えましょう。

さて、この作品とSFとの接点ですが…思いつかん。

COMMENTS

前回の夢十夜、そして今回のこれと、見事に私の現実逃避癖が表れておりますなあ。
猫の「チチェローネ」とはラテン語で「案内者」という意味だと大澤氏から数日後に教えられました。さらに大澤氏はピエロは父親ではないかという、私がつゆ考えたことのない意見を出されました。
SFは書き手がしっかりとした世界を作るものだが、このような作品は読み手が自分の中から世界を作り出していくものという阿部氏の言にはなるほどと思いました。アニメを見る人達の年齢層はずいぶんと高くなっているのだから、もっとこういったアニメが作られてもよいと思うのですが…儲からないだろうなあ。

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